この冬一番の寒さを感じる京都の二口です。
白銀の大晦日を期待していたら、それほどでもなかった。
ホッとするやら、残念やら。
ただ凛とした空気が気持ちよい。
冬のこの空気が好きだ。
思い切り吸い込むと血管がざわつき出す感じ。
世界との境界線を思い知らされる。
ひとりだ。
そう感じる。
今年は本当にひとりで鴨川にいる時間が長かった。
ずっといた。
ずっと西の空を見ていた。
今年ほどひとりを感じた年はなかった。
いろんな意味で距離がとられて、近づけなかった。
し、近づかなかった。
不安だった。
見えなかった。
今までの見方では世界がどうなっているのかがよく分からない。
己の二つの眼ではもう見えないのかもしれないと思った。
不安が絶望になる。
身動きができない。
ひとりが絶望になるなんて。
唯一近づけたのはテキストだった。
やるはずのものだったテキスト、台本。
擦り切れるぐらいずっと持ち歩き、ずっと手にもって歩いていた。
こんなにもずっと持ち歩いてたことがかつて無かったぐらい。
見るべきものが他に無かったから。
西の空以外は。
失敗だらけのハイユウ人生。
でも、手元には今もテキストがある。
嫌がおうにもそれを見る。
見ているうちに今までにはない何かがやって来た。
紙に水がしみ込んで何かが透けて見えたような。
ずっと貼ってあったポスターの下から出てきた真っ白な真新しい壁のような。
でも、これがなんだかはよく分からない。
よく分からないがここにある。
西の空以外に見るものがなかったから。
今もそれはある。
なんだそりゃ、だ。
2020はひとりの俺になんだそりゃを連れてきた。
くそったれ、だ。
しかし、くそを垂れないやつなどいない。
2020に感じたなんだそりゃなよく分からないもの。
それと一緒に2021へ行く。
人生は重荷を背負って歩いていくのだと言うが。
重いのかどうかも分からない。
2021には2021の何かがまたやってくるのかもしれない。
しれないものは知らないことにしておこう。
そう思ってひとりで酒をのもう。
痛風になってもひとりで酒をのもう。
死んで花実が咲くものか。
まだまだ芝居やりまっせ。
これからもよろしくお願いいたします。
よいお年を!
全ての人に感謝しています。
思い切ってそう言ってみた。
二口大学