「黒い郵便船」 無事終了しました。ご来場くださいました皆さま、まことにありがとうございました。急に決めた至って地味な会にもかかわらず、立ち会ってくださいまして感謝しております。また、快く迎えてくださいました人間座の菱井喜美子さんに、そして、内輪で何ですが
2020年11月
広田ゆうみ 朗読の会#25「黒い郵便船」
別役実さんの長編童話「黒い郵便船」を朗読します。三部から成るこの童話は、“言葉” “地図” “死者”といったことどもを手がかりに、或る街と人々に積み重なる時間を探ってゆきます。港と運河と鉱山のある小さな街。ふとうびるでぃんぐ(、、、、、、、、、)の屋上から
二十四年
──「きっと……、ロロのことです」 「ロロの……? だってそれは二十四年も前の……」──「黒い郵便船──その3 遠い街」と、「その1 盲の馬」「その2 星の家」との間には、二十四年という時間が流れています。はじめてこの童話を読んだ中学生の頃、その時間がよく
地図と言葉
──キノは忍野村の人々に言葉と地図を教えた。忍野村の人々は、言葉によって、他人のことは良くわかるようになったけれども、自分のことが理解できなくなった。同じように人々は、地図によって他の村のことがよくわかるようになったが、自分の村については何も知らないこと
秋晴れの日に
——古本屋のお婆さんの、お葬式の行列は、秋晴れのいいお天気を恥ずかしがるように、静かに出発しました。——「黒い郵便船——その1 盲の馬」の一節です。秋晴れの空を見るといつも思い出されます。そして、この空の下のどこかで、青いびろーど(、、、、)の服を着たロロ